県主催『「高次脳機能障害」の理解のための講演会 』が盛大に開催される
去る12月17日(火)ハートピア大会議室で県主催『「高次脳機能障害」の理解のための講演会』が盛大に開催されました。会場には高次脳機能障害の人の支援していただいておられる多数の専門職の方々、一般市民の方々、私共「ぷらむ」の当事者・家族から10人を含め総勢72名の参加がありました。
会次第としましてはまず鹿児島大学医学部保健学科作業療法学専攻 教授の 窪田正大先生によります「高次脳機能障害を知ろうー注意障害と記憶障害の特徴とその対応ー」のご講演から始まりました。
1.高次脳機能障害を理解するための脳の解剖と働き 今回のテーマは昨年度の続編になりますが、私共にもわかりやすいように砕いてやさしい言葉で説明されました。「脳の解剖と働き」では脳を分割した写真を提示されながら、それぞれの分野の役割を説明されるので、大まかにしかわからなかったものを、しっかりと捕まえることができるような気がしました。
引き続き 2.「注意障害とその対応」、3.「記憶障害とその対応」と事例を出されながら進められます。私共当事者・家族は日常で高次脳機能障害と共に生活を送っておりますので、「ですよ。」、「ですよ。」と聞き入っておりました。
質疑応答で当事者を支援されている家族から「前もって伝えていることを何回も聞き返すので、こちらがイライラして怒鳴ってしまう。こんな時の対応は?」と困っていることのお答えは、「やり過ごすしかないのでは。話題を変える。自分の気分を変える。」、似たような困りごとはどの家族の方も、身につまされる思いで聞かれたのではないでしょうか。
次に「ぷらむ」鹿児島の会員による体験発表 「28年の軌跡(奇跡)」~後悔ばかりの年月があって今がある~
娘は2歳10か月の時にサルモネラ脳炎になりました。
安心安全を全面的に押し出し販売しているお店の卵に付着していた、サルモネラ菌による食虫毒が原因でした。
親子して食中毒にかかり、私自身も嘔吐と下痢をしている中、判断能力が衰え近くの救急病院に行ったことが間違いの始まりでした。
親子で受診し点滴投与で自宅に戻り、夜中に3回のけいれんをしてようやく入院となったが、下痢がひどいと水分を取ることを控えるように「点滴をしているから大丈夫です」と言われ、従っていたが娘の点滴は漏れて足は風船のように腫れ上がり、大きなけいれんをして救急車で別の病院に運ばれました。
たくさんの管につながれた娘は、「極度の脱水状態とけいれん重積による脳炎を発症していて命の危険があります」と言われ、3日間の昏睡状態が続き、入院から11日間意識不明状態でした。
12日目に「トトロだー」と声を出し目がパッチリ開きましたが、話すことも起きる上がることもできず、赤ちゃん状態の娘になっていました。
婦長さんが、「人間口からものを食べないと元気になれないのよ」とアイスクリームを持ってきて下さり、この一口から少しずつ回復が見られ、子育てを一からやり直す
ような日々の中、自分の力で寝ている状態からちょこんとお座りをした時には、涙が止まりませんでした。
退院の時にはリハビリに繋がらず、毎日の生活がリハビリでした。できないことも多く、この時リハビリができていたら後に苦労することはなかったのではと、後悔してもしきれないです。
小学3年生の時には「てんかん発作」になり、薬が合わず薬物アレルギー症状を発症、今では飲める抗生剤は一種類しかありません。
学校生活ではいじめに遭い中学校まで不登校でしたが、高校では水を得た魚のように学校生活を送りました。
就職は、念願だった保育園の用務員として11年間勤め、障害・求職者雇用支援機構から入社して4年目に全国の中から娘の働く保育園が選ばれ「奨励賞」をいただき、その3年後には娘自身が「理事長努力賞」が授与されました。
現在はパン屋さんで働き、2児の母として毎日奮闘しています。
お知らせ 講師 鹿児島大学病院リハビリテーション科 大濱先生 日時 令和7年3月1日(土)10:30~16:00 「講演会&相談会」を開催予定をしています。 (「ぷらむ」鹿児島主催) (詳細が決まりましたらこのブログにてご案内致します。)
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